2012年01月29日

歯医者記 -人はいかにして歯医者に通うか-3

親知らず。

 

だいたい二十歳ぐらいにようやく生えてくるので親もそれを知らないためにそんな名前がついているが、僕の場合もはや本人も生えている事を知らなかった。

レントゲンの結果、どうやら僕の口中には親知らずが四本あるそうである。
うち左下一本は肉に埋まったままであり、右下は半分顔を出している。上二本はしっかり顔を出しているが両方とも虫歯らしい。

「親知らずが生えているといろいろ大変だからね。抜きましょう

なにか雑草を抜くかのようにあっさりと言うが、相手は僕の歯だ。
それに親知らずを抜く大変さはいろいろと伝聞で伝え聞いている。抜歯後に張れて何も食べられなくなったとか、抜くのに何時間もかかったとか、ひどいのは途中で麻酔が切れて死ぬかと思ったとか、いろいろだ。

 

 

断固拒否!という顔をしている僕を見て、先生は説得を始めた。

「親知らずが生えていると大変なんですよ。上二本はそもそも虫歯だし、右下も中途半端に肉がかぶってると虫歯になりやすいですよ。虫歯になると痛みますからね、早めに処置しましょう」

つまり先生の言うには
【中途半端に肉のかぶった親知らずは虫歯になりやすい】→
【親知らずが虫歯になると痛い】→
【だったら虫歯になる前に抜こう!】という事である。

 しかしこれは「予防」という名を借りた排除ではないか。

痛くもなっていない歯を「痛くなると大変だから」と抜いてしまう、まるで強者アメリカの論理である。
そもそも8020運動(80歳まで20本の歯を残そう運動)の立場はどうなるのだ?

 

 

しかし先生も熱心だ。営業マンのように抜歯のメリットをたたみかけてくる。

夜もよく寝られず痛みに苦しんでかなり消耗した僕は既に「とりあえずこの場が納まれば何でもいい」状態に陥っており、はあそうですねぇと返事を濁してその場を乗り切った。

先生ははかばかしい返事を得られなかった事に若干不満だったようだが、説得は次の機会に回す事にしたらしい。
歯科衛生士を呼ぶと指示を出し、後はよろしくとばかりに去っていった。

posted by やどかり at 22:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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